2013年から2023年まで、7期に分けて放送されていたTVアニメ『進撃の巨人』。
めっちゃ今さらなんですが、GWだったので一気見しました!
じつは放送当時、あまりにもダークな世界観に苦手意識のほうが先に立ってしまい、数話で見るのをやめていたんですよね。でも今回、最終話まで見たことで一転、すっかりファンになりました。
進撃の巨人とはどんな物語か?
超々大雑把に言えば、謎の巨人と戦う人々の群像劇。
主人公エレンと幼馴染みの2人は、三重に囲まれた壁の中の土地に暮らしているんだけど、ある時、壁を超えるような超大型の巨人が現れて門を破壊。そこから巨人たちが次々に侵入し、人間を襲い始める。
その混乱の中で、母親が目の前で食われてしまうのを見た主人公たちは、「すべての巨人を駆逐してやる!」という復讐心を胸に抱き、彼らと戦う技術を持つ『調査兵団』への入隊を志願する……という流れで物語が始まる。
最初こそ、巨人と調査兵団の攻防戦がメインかな~と思っていたのですが。
物語が進むにつれて、宗教・政治・民族主義・差別問題などが絡んだ複雑な背景が見えてきて、ぶっちゃけ第1期とファイナルシーズンでは別のアニメかな?と思いたくなるほど、風景も印象も変わっていきます。
主人公エレンのこと
本作主人公、エレン・イェーガー少年。
最初は正直、苦手なタイプの主人公だなって思ってました。
自分に力がなくても相手に突っかかっていくし、ミカサやアルミンが止めてもお構いなしに喧嘩を始める。「己の信念が絶対」とまではいかないけど、とにかく「間違ってる」と思ったら、周囲の困惑や影響を考えずに抗議してしまう。
ぱっと見、ただの我が儘少年に見えるんですよね。
だけど、自身が巨人化する能力を持っていると分かって以降、少しずつ行動が変わっていって、最終的には目的のためなら自分の心すら殺して、周囲を欺けるほどの強い信念を持つ人物になっていく。
その過程がじっくり描かれているからこそ、なぜエレンがそうならざるを得なかったのかがよく分かるし、あのまっすぐな行動力と感性があったからこそ、自分が巨人になってしまう現実にも耐えられたんだろうなと思う。
たぶん普通の感性だったら、最初の巨人化の時点で精神やられるよね?
自分でもなぜそんな現象が起きてるのか分からないのに、投獄されて、裁判にかけられて、そのうえ殴る蹴るの暴行まで受けてたし💦
そしてひとつ突っ込みたい。
この作品の売りのひとつって、立体機動装置を使った戦闘シーンだと思うんだけど……
エレン、せっかく調査兵団に入ったのに、人間の姿のまま躍動するシーン、意外と少なくない?w
最終話の結末について
マーレ篇以降を描いたファイナルシーズン。
とくにその結末については、賛否両論分かれるだろうな~~~とは思った。
いや、エレンが成し遂げたかった「目的」は分かる。
でも、本当に他にやり方はなかったのか?って疑問は、どうしても残るよね。
エレン自身、決意の前も後も、潜伏中もずっと苦悩して、回避する方法を探していたんだと思う。
それでも進み続けるしかなかったのは、おそらく始祖ユミルの力が絡んでいたからなんだろうな、と。
巨人を消滅させるには、その力を制御するユミル自身を納得させる必要がある。
だからこそ、その瞬間へ導くために、自分を悪役に仕立て上げたんだろうし。
……いやしかし。
それにしてもミカサが可哀相だし。
人類大虐殺はさすがに極端すぎっしょw
エンディングで描かれたその後の世界も、なんだか切ない。
物語のテーマについて
この作品を見ていると、どうしても歴史のあれこれを考えさせられる。
作中では「巨人」という存在が悪の象徴として描かれているけど、現実世界で起きた二度の世界大戦も、今現在の戦争も、結局のところ原因は「人間」なんだよね。
自分たちが正義だと思っていることが、別の視点から見れば悪だった、というのはよくある話で。
相手の正義を認められない人が「お前は悪だ」と叫ぶ。
「自分より弱い立場の人間には何をしてもいい」と考える誰かが理不尽な暴力を繰り返し、それが報復の理由となって、また別の悲劇を生む……。
とくにマーレ篇で登場した女の子の言動は、それをすごく分かりやすく表現していたなと思う。
……ていうか。
あの子も苦手なタイプなんだけどね。
でも気持ちは分かる。
彼女は迫害を受ける側の世界しか知らなかったし、その状況を変えるためには、他者より優れた力を証明しなければならないと思っていた。教えられたことがすべてだった。
ある意味エレンと似ているけど、違うのは、彼女が「自分が正義、相手は悪」と譲らなかったのに対して、エレンは「自分の考えが絶対」とは思っていなかったところかな。
物語の構成が本当にすごかった
個人的に印象深かったのは、第1話のタイトル『二千年後の君へ』。
見始めた当初は「なんのこっちゃ?」だったんだけど、巨人の謎が明らかになるにつれて意味が見えてきて、ファイナルシーズン第80話で『二千年前の君から』と伏線回収。
そういうことか!!って。
あのカタルシスは本当にすごかった。
そしてこのあたりから、エレンの意図も徐々に見えてくる。
幼馴染み2人に暴言を投げたのも、どう考えても「自分がすべての悪を引き受けるために距離を置いた」ってことだよね?って思ったし。
状況は常にめまぐるしく変わっていく。
困難な状況を乗り越え、やっと前へ進めると安堵してたら思わぬ場所から攻撃を受け、絶対絶命だと思ったら意外な人物が助けに入る。
本当に飽きさせないし、続きが気になって観るのをやめられなくなる作品だった。
結末を知ると、「ハッピーエンド」とは言い切れないし。
たとえ巨人という脅威が去っても、人の争いは終わらない。
そのあたりが、なんというか苦い終わりだなとは思うけど。
それでも、文句なしの名作だと断言できる。
わたしみたいに最初の数話で躊躇してしまった人も、ぜひ続きを見直してみてほしいなと思う。




コメント