BL小説

Dom/Sub専門医、始めました♪

#11 暴れる獣

身支度のためにいったん西棟へと戻った裕司は、正面玄関で待たせていた澄生と共にタクシーで自宅マンションへと戻った。玄関で律儀に靴を揃えてから身を起こした澄生は、勝手知ったる足取りで廊下を歩きながら「腹減った~」と呑気に呟く。「なんかホッとした...
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#10 手本のようなSub

それを指摘されてようやく、なぜ裕司が前提の話から始めたのかに気付かされた宮内は、気勢をそがれた様子で呆然としながら頷く。「つまり彼は、時々お仕置きという形での痛みが与えられていれば、普段は、お互いが心地よいソフトなプレイであっても構わないわ...
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#09 前提のお話

パチン! ジ……と天井の灯が点る音が響く。病院内は冷房が効いているが、閉め切られていた部屋は少し空気が籠って生温い。50㎝四方ほどの格子柄のラグマットが敷かれた室内は、壁にプレイ用の小道具が収められた棚があるだけで、ガランとした殺風景な部屋...
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#08 奇妙な三つ巴

おそらく、ケアが必要なのはSubだけじゃないのだろう。目の前でこの世の終わりという顔をして黙り込む女性を眺めながら、裕司は思う。この日、外来診療に訪れていたのはDomの彼女のほうだった。名は宮内さやか。27歳の会社員。アラサーの呼び声が気に...
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#07 独り占めできない彼

いまは裕司が研修中ということもあって仮契約という話になり、週に1~2度ほど裕司のマンションで食事をするという程度の付き合いに留まっているが。会えば裕司は、日常の動作にさりげなくコマンドを挟んで澄生を溶かしてくれる。互いに親密に連絡を取り合い...
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#06 君が欲しい

これが少女漫画やアニメだったら。そっとハンカチを差し出して「君の思いは、きっと届くよ」な~んて、気の利いた励ましのひとつも言うべきだろうけど。胸に縋りついて泣く女子生徒のつむじを見下ろしながら、澄生はそう胸中で独り言ちる。場所は空手部顧問と...
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#04 セーフワードを決めよう

喫茶店を出て向かったのは裕司の自宅だった。研修医として勤める病院の最寄り駅からは3駅隣。駅前ロータリーから歩いておよそ10分ほどの場所にある6階建てのマンションだ。片田舎だが駅前付近には飲食店や商店が並び、買い物客でそこそこ賑わっている。途...
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#03 喫茶店にて

場所を変え、夏の日差しを避けて通りすがりの喫茶店へと飛び込む。平日の昼間なので、古 風アンティークな雰囲気の店内に人の姿はまばら。年季の入った柿渋色のテーブルを挟んで向かい合った青年は、店主の妻らしい年配女性が並べていったレモネードのグラス...
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#02 信号待ちをしていたら

研修医生活2年目の夏。信号待ちをしていた山峰裕司を呼び止めたのは、こんな怪訝そうな声だった。「あの~~~~もしかして……山峰センパイっすか?」「うん??」直後にキュウキュウという電子音が鳴り響き、人波が動き出す。ちょうど信号機の真横にいた裕...