「そのまま咥えてろ」
はいと返事をする前に、頭に乗った手がグイっとボクの頭を押し下げた。
「んぐっ!」
先っぽがいきなり喉の奥の方まできてオエッてなった。
でも、逃げかけた頭を大きな手が抑えつけて、ぐいぐい上下に揺さぶる。
「んぅっ……うぅっ……んんっ! んぅっ!」
何度も吐きそうになって苦しかった。
ぐいぐいと喉の奥を突かれて、ウエッてなるたび首と胸が震えて、涙が滲む。
頭をガッチリつかんだ手は逃げるのを許してくれない。
ただされるままに、喉の奥までおっきなのが突き上げてくるのを耐える。
何分そうしてたのか分かんない。けど。
おんなじ動作の繰り返しで、ちょっとずつ慣れて。
口を開けさせられたままタラタラ垂れてた唾液を飲み込んで、無意識に舌を動かし始めてた。
「…………そうだ。そのまま続けろ」
頭から手が離れてもボクは、喉の奥までちんぽを飲み込み続けてた。
辛くて涙がぽろぽろ零れたけど、自力で動いてるうちに分かってくる。
どうすると苦しくないのか。
どのタイミングで息をすればいいのか。
舌の使い方。唾液を絡めるコツ。
口のすぼめ方。手の使い方。
喉の奥まで使ってもボクの口じゃ半分も咥えられない。
だけど自分がされたのを覚えてたから、どうすると気持ちいいのかは分かる。
また頭のうえに片手が乗った。
でも、今度は優しく髪をすきおろしただけだった。
その仕草で、ラルグさまが感じてるのが分かって…………嬉しくなった。
「まいったな」
低く掠れた声が、ふふっと苦笑した。
「思ったより……飲み込みがはやい。今夜のところは、ほどほどで許してやろうと思ってたんだが」
ふ~~~っと溜息をついたラルグさまの手が、背中からお尻へと撫ぜおろした。
「んっふっ!」
くすぐったくて腰を捻ったら、ちんぽを咥えたまんまボクの体が浮き上がった。
手と頭はそのまま、浮いた下半身がぐるっと横へ回転する。
あっと思った時には、ラルグさまの胸を四つん這いに跨ぐみたいな格好にさせられてた。
「んんんっ!」
ずぷっといきなり指を突っ込まれて、思わずお尻に力が入る。
「休むな。続けろ」
「っ……うぁぃ」
お尻の穴をグチグチ弄られながら、必死でおしゃぶりを続けた。
ボクのいいトコを知り尽くしてる指は最初からグリグリとそこをイジメる。
「んんっ! んっ……んぅっ! ふっ…………んんんっ」
ビクッと身震いするたびに足の力が抜けそうになった。
背筋だけじゃ上半身を支えてられなくて、ラルグさまの腰骨とシーツの上に両手をついて、口だけでおっきなのをジュプジュプ出し入れした。
また元気になっちゃったボクのちんぽの先も、親指とひとさし指でくるくる嬲られて、先走りの透明な液が滲んでるのを意識する。
「んぅ……ふぅ…………うう!…………んぐっ……」
自分で……咥えてるんだけど。
後ろを嬲られながらしゃぶってると、両方から犯されてる気分になるよねっ。
「んんっ! やぅ……んぐぅっ……!!」
後ろの刺激のせいで何度も止まっちゃいそうになって、堪らなくて身悶えてたら、右手の下の腰骨あたりがモゾッと身じろいだ。
あ、イキそうになってる。
ぼんやりした意識の隅っこでそう思って、なんでだか嬉しくなった。
いつもボクばっかり訳わかんなくされてるんだもん。
いまくらいボクがラルグさまをキモチヨクさせたっていいよね?
その考えを読んだみたいに、指がさらに激しくボクの中をかき回す。
も一方の手でもちんぽを擦られてて、だんだん、どっちが先に出ちゃうのか勝負してるみたいになった。
くっとラルグさまが笑った。
「……出るぞ」
「ん……んぁ……ぃ」
ボクを弄ってた手が一瞬止まって。
グググッと力が入った腰の筋肉が数秒後に弛緩する。
ちょうど一番奥まで咥え込んだ喉にトプッとあったかいものが纏わりついた。
「ぐっ! ぅ……ぐふっ……っ!」
激しく嘔吐いて咥えたまま咳がこみ上げた。
何度も、うぇっうぇって吐き気が襲ってきたけど、そのまま耐えた。
口の中いっぱいにえぐみのある味が広がる。
舌も喉にも纏わりつく苦い液を飲み込むには勇気が要ったけど。さっきラルグさまにもされたし。最後までやりきりたかったから必死でそれを喉の奥に送り込んだ。
ら、ぺしぺしって平手がお尻を軽く叩いた。
「こっち向け」
「むぁい」
吐き気を堪えようとしてたせいで、背中もお腹もだるかった。
ずっとおっきなの咥えてた口もガクガクしてたし。
口を離して足の方へ這い進んでから後ろへ向いたら、魔法の力でグイッと引き寄せられて、そのままラルグさまの下へと組み敷かれた。
「口をあけろ」
言われるまま開けた口に2本指が指し込まれた。
くるくるっと口の中で巻いたミストみたいな水が、喉に貼りついてた苦みを取り去ってく。
そのまま頬っぺたのほうに曲げられた指先から冷たい水が溢れてきて、ボクが飲み込むのに合わせて少しずつ注いでくれた。
ホントに、魔法って、便利だなぁ……。
「大丈夫か?」
「ふぁひ」
「ふっ。意外に負けん気は強いんだな」
また男っぽい笑みを浮かべたラルグさまは、広げたボクの足をぐいっと左右に押し上げて、もう硬さを取り戻してる先っぽをボクの入口へとあてがった。
「んっ……んん~~~~~……っ!」
ズグッと押し入ってきたおっきなのが、中を掻き分けてズル~~~ッと収まった。
ホント、最初の時のが嘘みたい。
抱かれる抵抗感も違和感も無くなっちゃったボクの体はもう、最初からそこがラルグさま専用の入れ物だったみたいに、痛みもなくすんなり受け入れてる。
もともとボクの体が柔らかいからだってラルグさまは言うけど。
感じるのは中を広げられてる圧迫感と、疼く粘膜を刺激される気持ちよさだけ。
奥の狭いトコも、ズクズクと何度か突かれただけで勝手に気持ちいいのを思い出して迎え入れちゃってるし。
「ああ……いい」
付け根まで全部押し込んだラルグさまは独り言みたいに呟いて、体を密着させたまま、ボクの足から手を離して背中へ腕を回した。
そのまま、何度も何度も角度を変えながらキスをする。
出し入れすることなく、キスのために頭や腕肩を動かす時のわずかな振動だけでやわやわと奥が刺激されて、陶然とした気持ちよさでボ~~~ッとなった。
じれったいほどゆるい刺激だけなのに、太いのでピッタリみっちみちになってるから、ボクの中が蠢いて咥え込んでるものをキュウキュウ締め付けてるのがはっきりわかる。
激しく突くだけじゃなくて……こんなやり方もあるんだなぁ……。
これだと揺さぶられないから疲れないし。繋がってる感触がより感じられて、少しずつ高まってく感じが心地いい。
5分か、10分か。
ずっと首筋や乳首なんかを愛撫してたラルグさまが、ふいにブルッと身震いした。
「ダメだ。良すぎる」
「……っ……あふっ!!」
いきなり腕にグッと力が入って、嵐みたいな揺さぶりが始まった。
「あ、あ、あ、あ、あ……ああっ! ひっ……ひぁ……っ!」
「……っ、くっ……」
「いっ……あっ! あぁっ!!」
あっという間に登りつめた逞しい体が動きを止めて、奥にあったかいものが叩きつけられる。
タイミングを外したボクは射精はしなかったけど、奥を激しく突き上げられた痺れるような痛みと快感で、言葉にできないほどの強い絶頂感に襲われた。
「ん……ううっ!…………あっふっ……!」
のぼったまんま、ぶるっ、ぶるっとお腹が振動して、なぜか体が弛緩できなかった。
その状態のまま再び奥をズグッと突き上げられて、ヒィッと悲鳴が零れた。
「ひっ! ひあっ! あ、あ、あ……やっ! やめっ! ぁあっ!!」
強すぎる快感に堪えられなくて、無意識に伸しかかる体を押し退けようとした。
けどその手を、太ももの外側から回された大きな手がベッドへ抑えつけて、挑むみたいに腰を叩きつけてくる。
「やっ! やっ! ラルグさっ……やだっ! へ、へんになっちゃ……あぁっ!」
「……なればいい」
「ひぁあっ! ひっ! やぅっ! やっ!」
「そのままイキ狂ってろ」
「や……も……やめっ……やっ! ぅ…………やだ……ひ……ぁああっ!」
大きく出し入れはしてない。ただひたすら奥だけをきつく突き上げてくる。
悶えて……悶えて……悶えて……もう何度めかわからないくらい、イッて。
やっと痙攣みたいな震えが収まった時には、呆然としてた。
「……ぅ…………ぁ……」
なに? これ。なに? ボク……どうなっちゃったの????
「落ち着いたか?」
息を切らしながらの低い声。
ふ~~~~~っと大きく溜息をついて、おっきなのをズルッと引っこ抜く。
痺れてゆるゆるになっちゃったボクの中はもう、注がれた液のぬめりでジュプッと湿った音を立てただけだった。
「……ぅグさ……ボク…………なんで……」
「発作みたいなもんだ」
「ほ……っさ……?」
「抱かれる側が感じる究極の快感ってところか」
淡々と呟きながら体を起こしたラルグさまは、ボクのお腹に手を当てた。
お腹の中がポウッと温かくなって、ズキズキしてた痺れが無くなってく。
それからすぐにお尻の穴に指が差しこまれて、いつもみたいに中を洗浄してくれてから、また「ふ~~」と溜息をついた。
温風みたいな風で互いの体を乾かして。
ゴロッと横になったと思ったら、足元にあった上掛けとボクの体が同時に動いて、体の片側にぴったりくっつくみたいに抱き寄せられてた。
ボクはまだハァハァと短い息が続いてる。
片手で後ろ髪を撫ぜてくれながら、んっと小さく呻いたラルグさまが、天蓋をボンヤリと見上げながら穏やかな口調で呟いた。
「俺も、何度か経験した覚えがある。最初はかなりキツイが、これにハマり過ぎるとそれ無しでは物足りなくなる類いの快感だな」
「へぇ……」
―――……って……ん????
経験した覚えがある、ってことは……え? ……え!???
「え? 経験、してる……んですか?」
「ああ」
誰と? って言葉を寸前で飲み込んだ。
さっき体を見下ろした時も、鍛えた体だなぁって思ったばっかりだし。
ボクのなかのラルグさまの印象は完全に「抱く人」で。「抱かれる」側の想像がぜんっぜん出来ないんだものっ。
で、でも、経験してるってことは、その相手がいるってことで。
あれ?
てことはもしかして、ラルグさまの相手…………は……ええっ!?
目をパチパチしちゃってたボクを見て、クスッとラルグさまは笑った。
「言っただろうが。アーネストは遊び仲間だと」
「き、聞きましたけど。で、でもボク……えと……」
娼婦さんとかがいる場所へ一緒に遊びに行ってるってほうの意味だとっ!
でも、言われてみて、ラルグさまが終わったあとに必ず洗浄してくれたり、妙にボクの体を気遣う行動をしてた理由が分かった気がした。
ボクを少しずつ感じさせる抱き方も、フェラのやり方に詳しいのも、抱かれる側を知ってるからなのかぁ~~っ!
いろいろ想像しちゃって恥ずかしくなって顔を伏せたら。
抱き寄せてる手でグッと肩をつかんだラルグさまが、ボソッと呟いた。
「…………嫌か?」
思いがけず沈んだ呟きで、思わずラルグさまの顔を見あげた。
ちょっと悲し気な困惑したみたいな表情をしてる。
何を「嫌か」って訊かれたのかを一瞬考えて、あっと気がついた。
確かに今までのボクの常識では、両方を出来ちゃうひとを想像したことはなかったけど。
「ぜんぜん! 嫌じゃないです」
別に嫌悪感とか、そんなのは何にも感じてない。
ラルグさまに抱かれちゃってる時点で、ボクにとっては今さらだし。
ただ、あのアーネストさんとラルグさまの組み合わせが、想像できてないだけだもんっ!
カァ~~~っと赤くなったから、ボクが言葉どおり嫌がってないのは分かったみたいで、ラルグさまはホッとした顔になった。
「まぁ、あいつのことは、そのうち……な」
何を思い浮かべてたのかラルグさまは微妙な表情で呟いた。
でもその時のボクは、あれやこれやの想像で頭がいっぱいになっちゃってて、ラルグさまの呟きが急に暗い響きになってたことに気付いてなかった。

