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#14 SSランクの本気 Ⅱ ※R18

Dom/Sub専門医、始めました♪

男2人にはやや狭い湯船にのんびりと浸かり、バスローブ姿で寝室へ入ったところで「そういえば」と澄生が呟いた。

「なぁ。さっきのあれって、何だったの?」

「あれって?」

「話は後つったじゃん。なんで、体が勝手に」

「ああ」

その問いにはすぐに答えず、裕司はベッドの夏掛けを足元へ寄せる。
澄生が訪れるようになってから増えたサイドテーブル。そこに並べた小道具をひとつ手にしながら、ふふと笑ってベッドの上を指さした。

「《寝転がってRoll》」

「んっ」

何ひとつ躊躇うことなく、澄生はシーツのうえに横たわる。

「《晒してPresent》」

「うん」

横たわったまま、バスローブの腰帯を解いて裸体を晒す。

「《勃起してBoner》」

「……ん……んんっ?」

意味が分からずきょとんとした当人を置き去りに、陰茎がむくっと頭を擡げる。
見る間に腹に付くほどになったソレを見て、澄生自身が慌てた。

「え、え、え???」

「ふふ。ホントにこの体は、聞き分けのいい子だねぇ」

「な、なんで」

「簡単にいえば、これがSSランクの本気ってことさ」

すっかり勃ちあがった陰茎に手を這わせた裕司は、持っていたバンドで根元をキュッと締め付ける。いきなり局部を襲った圧迫に、澄生は「うっ」と呻いて顔を顰めた。

「痛くはないね?」

「な……いけど……」

「じゃあ澄生、両腕を頭のうえで組んで。そう。足も胸につくくらい折り曲げて。……うん《いい子Good》。―――……そのまま《動くなFreeze》!」

「……ふっ!」

最後だけ語調を強めたコマンドに澄生の体はピタリと動きを止める。
手足どころか頭も体も動かせず、動くのは驚きに丸くなった目と、上下する胸だけだ。

「動けないだろう?」

ベッドサイドで身を屈めて覗き込んだ裕司は、クスクスと笑いながら澄生の髪を撫ぜた。

「通常のプレイは、Subはコマンドに操られているようでいて、そのじつ、本人が耳で聞いて理解した動きを実行しているに過ぎないんだけどね。Sランク以上のDomは、Sub自身が意識していない不随意の動きも制御できるんだよ。だからわたしは、とくにパートナーである君相手には縄も枷も必要ないんだ」

「ま……マジ……すげぇ……」

呆然とした呟きに、僅かに裕司の表情が曇った。

「―――怖いかい?」

唯一動かせる目でそれを見あげた澄生は、ニッと笑って「いいや」と呟く。
薄っすら汗を浮かべた顔が滲ませたのはトロリとした愛欲の微笑みだった。

「オレのDomってば、好きすぎるって……惚れ直したとこ」

「……君も、相当いい性格だよね」

「褒めんなよ……照れるじゃん」

「その減らず口がいつまで叩けるかな?」

サイドテーブルに置いていたものをベッドへと放り投げる。
開かれた股の間に腰を落ち着けた裕司は、片手にたっぷりのゼリーを絞り出して澄生の陰部全体に塗り広げた。マッサージでもするようにゆるく柔らかく。ひっきりなしに零れる喘ぎと、ビクビクと跳ねる肢体を愉しみながら追い詰めていく。

「あ……あ……は……あぁ…………う……や……」

「気持ちいい?」

「きもち……すぎ……て、お……おかし……く……なる……ぅっ……!」

「いいよ。もっとおかしくなって」

滑りおりた指先は窄まりに潜り込んで、内側にもゼリーを塗り付けた。
医者の手にかかれば、どこに弱いポイントがあるのかなどは丸わかりだ。何しろ本物の人体を切り開いて見たことがある。粘膜を傷つけないように指を増やし、さらにぬるぬると解し続けた。

的確に感じるところばかりを撫ぜまわされる澄生は、首を振って紛らわすことすらできず、息を弾ませて身悶えるばかりだった。

「う……う……う~~~~うぅ……あ……ふっ……あぁ……」

「……ふふ……可愛いね……澄生……」

コマンドに動きを制限される中、辛うじて動く腹や腰骨の筋肉がビクビクと踊る。張りつめた滑らかな肌が上気した薄紅に染まり、なんとも煽情的な姿だ。

それを細めた目で見おろす裕司自身もすでに高ぶっていた。
不思議な感覚だった。
頭のどこかで感じる澄生との確かな繋がり。熱。鼓動。いま彼がどれほどに興奮し、悦んでいるのかが手に取るようにわかる。

その興奮がまるで自分の内にまで染みてくるようだ。
澄生を搔き乱し追い詰めるほどに、自分の欲望も引きずられ高まっていく。

内側にある膨らみをやんわりと嬲りながら、勃ちあがった先をくるくると刺激すると、途端に「んぁあ」と呻いた澄生は、譫言うわごとのように呟いた。

「や……そ……んなされ……たらっ……や……いぅ……う~~~」

「そろそろ、イっちゃいそうだねぇ」

「ま、まえ……出せねぇ……のに……ひぅ~~っ」

「射精しないでイけたほうが、体の負担は少ないだろう?」

「な、に、ゆ……じさ……オレに……メスイキ、憶えさせようとし……てん……の?」

「そうそう。また失神させるわけにはいかないからね」

「まっ……て……あ……や、あ……なんか……くる……く……うぁ……っ」

「いいよ。《イってCum》」

「んぁっ……ひっ……んんっ……ん~~~~~~~……っ!!」

上りつめた体が身を捩って絶頂を逃がそうとする。
指を食んだままの窄まりもギュッと締め付けるが、裕司は押し出そうとするうねりに逆らって押し込み、さらにやわやわと膨らみを嬲り続けた。

「やっ! ……めっ! まって……くすぐった……やだって……っ!」

「もっと悶えて。澄生」

「鬼畜かよ! そ……な……されたら……ま、また……んやっ……!」

「あぁ……可愛い……」

何度も、何度も、許してと哀願する体を嬲り続けて絶頂へと押し上げる。
もはや躊躇いなどはなかった。
この体が苦しいほどの快感を望んでいることは分かっている。そして自分自身も、愛しいSubが乱れ狂う姿に享楽きょうらくを覚えるのだ。

内も外も散々に弄り回して鳴かせてから、ようやく指を引き抜く。
ゼエゼエと息を弾ませる澄生の根元を締め付けていたバンドを外し、ぴたぴたと太ももを叩いて微笑んだ。

「もう動いていいよ。よく命令がきけたね。《いい子だGood boy》」

「は……はぁ……は……う……」

「もうだいぶ解れたから。このまま入れるよ。いいかい?」

「ん……う……」

息も絶え絶えな澄生は頷いて、甘えるように裕司の首元へと手を伸ばした。

「……して……も……入れ……て……はや……く……」

「待って。ちゃんと予防はしておかないとね」

「……まじめ……かよ……」

「ははっ。こう見えても医者だから」

ローブを脱ぎ、手早く身支度をして汗ばんだ熱い体へと覆い被さった。

すぐに背中へと腕を回した澄生は、割り開かれた両足も絡めて夢中でしがみ付いてくる。いつのまにかSub spaceに入っていたらしく、ふわふわとした夢うつつの表情になっていた。

「ダメだよ澄生。力むと傷つけてしまうから。ほら《力を抜いてRelax》」

「ん……う……ふ……」

「うんそう。《いい子Good》」

コマンドに反応して澄生の身体から力が抜ける。
その隙に、馴らすように入口を嬲っていた亀頭を窄まりへとめり込ませた。幾度も絶頂させられ弛緩した粘膜は、さほど抵抗することなく裕司を受け入れていく。

奥へ、奥へと進む切っ先は狭くなった箇所へと突き当たる。
だが裕司はそこで満足はせず、下腹部に指先を当て、込みあげる征服感とともに澄生の耳へと囁いていた。

「《寛げてChill out》。一番奥まで、わたしを受け入れて」

「んっ……あ……んぁあ……」

「そうそう。いい子だね」

「うぁ、あぁ……っ! すご……ふか……! こ……んな……かんた……んに……っ」

「ああ……いい……」

根元まですべて押し込んでから熱い溜息をつく。
澄生が息づくたびにキュウキュウと蠢く内側の熱で、油断すればあっというまに持っていかれそうだ。押し寄せる絶頂と途轍もない幸福感で頭は真っ白になっていた。

これまでにも抱いたSub男性は幾人かいたものの。
男色というわけではない裕司にとって、それはせがまれて応じたプレイに過ぎず、物理的な快楽を得るだけの行為だった。

そしてなぜか女性相手でもその感覚は変わらなかった。
雄としての本能的な欲望こそあれ、溺れるほどの愛欲を感じたことは無かったのに。

ずくりずくりと突き上げるたび、澄生は気持ち良さげに喘ぎ、乱れる。
むさぼるように吸いねぶる唇も、吐息までもが甘い。
いままでしてきた性交は何だったのか? これほど心地よく満たされる行為だったのだろうかと、感動めいた想いさえしていた。

「……あ……あ……も……イく……イっちゃ……っ」

「いいよ……わたしも……そろそろ……」

内側でギュ~~っと絞り上げるうねりと共に、腕の中の体が大きく仰け反った。

「あ……あ、あ……あぁ~~~~あ……イッ……く……っ!!!」

「……うっ……!」

息を詰めた裕司自身も、痛みさえ感じる強烈な締め付けに留める間もなく弾けてしまう。

繋がったまま、肩に頭を乗せて脱力する。
はぁはぁと息を弾ませていた澄生は、絶頂の余韻冷めやらぬままに口づけを強請ねだって舌を伸ばしてきた。

「ん……ん……んむ……ゆ……じさ……き……すき……」

「わたしもだよ」

「好き……が……あふれ……て、も……好きすぎて死にそ……」

「ふふ。まだこれからじゃないか」

「……あの頃からずっと、夢みてた、から。あんたが……オレのDomになったなんて……ホント信じらんな……」

「ああ……そうだね」

出会えたことが奇跡なら、再会した彼がこれほど愛しい存在だったことも奇跡だ。
澄生が見つけてくれなければ、裕司はずっと満たされないままだった。

もう手放せない。手放したくない。
澄生だけがありのままの自分を受け入れ、満たしてくれる。
彼がいない人生など考えられない。ずっと自分だけのもので居て欲しい。そう思えるほどに心の執着は深まっていた。

(これも……強いDom性が……もたらす感情なのだろうか……)

内心で自嘲しつつ、繋がりを解いて起き上がり澄生の体を介抱する。
身体の奥深くを掻きまわされて消耗した彼は、案の定まともに立ち上がれず、されるがままに清められたあとはすぐ眠ってしまった。

裕司は、すぐ隣で寝息を立てる澄生の横顔を見ながら考えていた。

疑いようもなく心はすでに通じ合っている。
彼を固定パートナーにするには、首輪カラーを渡し正式契約クレイムを結べばいい。

ダイナミクス保持者の契約は婚姻とほぼ同義で、男女の性別は関係なく、役所に届け出をすれば民法上の保護も受けられる。
申し出ればきっと澄生は喜んで受け入れてくれるだろう。

だが……しかし…………。

彼と契約するには、幾つかの問題点があった。